2023.09.15
『利益が出ているなら、賃上げ促進税制の検討を』
【制度の概要】
賃上げ税制(旧所得拡大促進税制)は、中小企業者等が、前年度より給与等を増加させた場合に、
その増加額の一部を法人税から税額控除(法人税額の20%を限度)できる制度です。
つまり、適用要件を満たせば、法人税を最大20%減少させる事ができます。
【適用対象期間】
令和4年4月1日~令和6年3月31日までの間に開始する事業年度。年数で言うと3年間は適用が可能となります。
【適用要件】
①通常要件
給与支給額が前年度と比べて1.5%以上増加⇒増加額の15%を税額控除
②上乗せ要件1
給与支給額が前年度と比べて2.5%以上増加⇒増加額の30%を税額控除
*15%(通常要件) + 15%(上乗せ要件1 )
③上乗せ要件2
教育訓練費の額が前年度と比べて10%以上増加⇒増加額の25%~40%を税額控除
*15%(通常要件) + 10%(上乗せ要件2)
*15%(通常要件) + 15%(上乗せ要件1) + 10%(上乗せ要件2)
【まとめ】
旧制度では、増加額の25%が税額控除の限度でしたが、40%まで引き上げられ、適用要件のハードルもかなり緩和されて非常に使いやすい制度になりました。
最低賃金の引上げや、人材不足、売手市場の昨今において、安定的な雇用の確保には賃上げが欠かせない問題となってきています。
せっかく賃上げしたのであれば、その賃上げにより享受できるメリットは最大限に享受すべきかと思います。
ただし、この制度はあくまで税額控除の制度であり、本来課税される税金を少なくできる制度です。赤字で税金が課税されないのであれば、これらの適用はできませんので注意が必要です。