2022.09.15
相続が発生した場合の遺言書の確認制度
1.遺言書の確認とは
相続が発生した場合に、生前に被相続人(死亡した者)から遺族に対して遺言書の存在を知らされている場合が一般的ではあります。しかし遺言書が存在しているのに知らされていない場合においても、一定の要件を満たす遺言書に関しては公的機関でその存在を確認することができます。
2.公正証書遺言の場合
遺言書が公証役場によって作成されたものである場合には、全国の公証役場の「遺言検索システム」によってその存在を確認することができます。
当該システムを利用できるのは、相続人及び「法律上の利害関係」がある者に限定されるが、委任があれば代理人も利用できます。
なお、このシステムで確認できるのはあくまで遺言書の存在の確認であり、その内容に関しては、別途公証役場への閲覧・交付請求の手続きが必要となります。
3.自筆証書遺言の場合
被相続人(死亡した者)が法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用して、遺言書を預けていた場合、全国の法務局で「遺言書保管事実証明書の交付請求」を行うことにより、その存在の有無を確認することができる。当該交付請求をできるのは、相続人、遺言執行者、受遺者のほかこれらの親権者や法定代理人です。
4.まとめ
相続発生時に遺言書の有る無しが、その後の手続きに大きく影響するため、上記の手続きにより、遺言書の有無を確認したうえで、その他の手続きを進める事が大事です。遺言書の確認をしないまま遺産の分割協議をまとめてしまい、その後に遺言書の存在が発覚した場合などは、トラブルになる可能性が非常に高いと思われます。