2023.03.15

インボイス制度の開始に当たっての留意点

いよいよ令和5年10月からインボイス制度が開始されます。
制度の概要については、各所で詳しい説明がなされているため省略しますが、
免税事業者がインボイスの番号を取得するか否かの判断が一番悩ましい問題であると思われます。

課税庁側も、急激な税負担の増加を緩和すべく、当初から「経過措置」を設けていましたが、それに加えて新たに「負担軽減措置」なるものを設ける予定のようです。
納税者側に有利な施策であるのは確かなのでしょうが、ますます納税者の判断を複雑にしているように思えます。
そこで、上記に述べた経過措置や、負担軽減措置の内容をまとめて紹介する事により、複雑な制度の理解を少しでも深めていただければと思います。

【経過措置】
経過措置については、支払先の免税事業者(仕入先・外注先)がインボイスの番号を取得しなかった場合の、支払い側に対する経過措置になります。
例え仕入先や外注先がインボイスの番号を取得せず、請求者や領収書に番号の記載がなかったとしても、従来控除していた消費税額の一部の控除を認めるという措置です。
具体的には、当初3年間は本来控除額の80%、4~6年目までは50%までの控除を認めるという内容です。

【負担軽減措置】
負担軽減措置については、重要なものとして2つ挙げられますが、1つが「2割特例」。もうひとつが「少額特例」と言う措置です。

①2割特例

免税事業者がインボイス番号を取得するために消費税の納税義務者となった場合については、当初3年間、売上に対する消費税額の2割を納付すればいいと言う措置であり、申告時に本来の計算方式による方法と選択できる制度です。

②少額特例

2年前の売上が1億円未満若しくは前年の前半6か月の売上が5,000万未満の会社については、税込み1万円未満の支払いに対する請求者や領収書についてはインボイス番号がなくても、今まで通り控除しても問題ないと言う措置です。