下阪 琢真コラム
中小企業賃上げ税制 繰越控除の留意点
2024.11.19令和6年4月以降開始する事業年度から改正される「賃上げ促進税制」について、改正項目のうち、新たに措置された繰越控除措置についてご紹介します。 【繰越控除する事業年度の要件】 賃上げ促進税制が適用できる事業年度が赤字である事等により、控除できる税額がなく、未控除額が発生した場合、その未控除額の...続きを読む
マンション評価の改正
2024.07.16【マンション評価の改正】 これまで、相続税の財産評価において、一般的な取引価格に比して著しく低い金額で評価されてきたマンションの評価方法について改正が入る事になりました。 具体的には、令和6年1月1日以後に発生した相続・贈与に関しては、従来までの評価方法とは異なる評価方法により、より時価に近い金...続きを読む
『利益が出ているなら、賃上げ促進税制の検討を』
2023.09.15【制度の概要】 賃上げ税制(旧所得拡大促進税制)は、中小企業者等が、前年度より給与等を増加させた場合に、 その増加額の一部を法人税から税額控除(法人税額の20%を限度)できる制度です。 つまり、適用要件を満たせば、法人税を最大20%減少させる事ができます。 【適用対象期間】 令和4年4...続きを読む
所在等不明共有者の不動産の持分の取得・譲渡制度の創設
2023.06.06令和3年4月の民法改正により新たに創設された所在等不明共有者が存在する不動産の持分の取得・譲渡制度が令和5年4月1日から施行されています。 【1】概要 不動産の共有関係の解消促進の方策のひとつとして、共有者の中に所在等不明共有者がいる場合、裁判所の決定により、所在等不明共有者の不動産の持分を...続きを読む
インボイス制度の開始に当たっての留意点
2023.03.15いよいよ令和5年10月からインボイス制度が開始されます。 制度の概要については、各所で詳しい説明がなされているため省略しますが、 免税事業者がインボイスの番号を取得するか否かの判断が一番悩ましい問題であると思われます。 課税庁側も、急激な税負担の増加を緩和すべく、当初から「経過措置」を設け...続きを読む
コロナ借換保証制度の創設
2023.01.16【1】借換保証制度創設の経緯 コロナの影響の長期化や物価高など、多くの中小企業が引き続き厳しい状況が続いている事から、 政府は2022年10月28日に新型コロナの影響により売上が減少した中小企業に無利子・無担保で融資する、通称ゼロゼロ融資の借換制度を創設しました。 【2】借換保証制度の...続きを読む
所有者不明土地問題に係る法改正措置
2022.11.15いくつかの相続を経る中で、相続人が取得した土地の登記を怠った等の理由により、所有者が不明である土地や建物について、これらが未利用のまま放置され、防災や衛生、景観など周辺環境の悪化を招き社会問題化しています。 この問題は、まず所有権の登記が任意である事により放置されてしまう事が、問題の根幹であり、さ...続きを読む
相続が発生した場合の遺言書の確認制度
2022.09.151. 遺言書の確認とは 相続が発生した場合に、生前に被相続人(死亡した者)から遺族に対して遺言書の存在を知らされている場合が一般的ではあります。しかし遺言書が存在しているのに知らされていない場合においても、一定の要件を満たす遺言書に関しては公的機関でその存在を確認することができます。 2. ...続きを読む
固定資産税の減額可能性の検討
2022.07.151. 建物が建築されている雑種地の固定資産税 固定資産税において、その土地の地目が雑種地であっても、建物が建築されている部分については、宅地として高い評価額が付されています。 そして、その評価額に応じた固定資産税が課税されています。 上記の取り扱いについて、例えば広大な雑種地の一部に建物が建築...続きを読む
賃上げ促進税制(旧所得拡大促進税制)の上乗せ措置について
2022.05.151. 賃上げ促進税制とは 中小企業者が、前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度です。 以前までは、所得拡大促進税制と呼ばれていましたが、適用要件の緩和や、控除の上乗せ措置を経て、 新たに令和4年4月1日以降に開始する事業年度から「賃上げ促進税制」とし...続きを読む
口座振替の家賃や顧問料に対するインボイス制度の対応
2022.03.19令和5年10月1日から開始されるインボイス制度ですが、会社にとってメインの商取引である「物」の売買や、 「サービス」の提供に係る請求書や領収書に関する部分以外にも大きな影響があります。 そのひとつとして、口座振替によって支払われる家賃や顧問料に、大きな影響があります。 従来であれば、当初の...続きを読む
住宅借入金等特別控除の改正について
2022.01.15令和3年12月24日に、令和4年度税制改正大綱が閣議決定されました。改正の確定時には一部変更される可能性はありますが、 その中から住宅ローン減税に関するものを紹介します。 【住宅ローン減税の改正】 ①控除率 現行の1%から0.7%に縮減されます。次項で記載する控除対象借入金残高の限度額の...続きを読む
非居住者からの不動産購入と源泉徴収
2021.11.15(概要) 非居住者(売主)から日本国内の不動産(土地や建物)を購入した場合、その譲渡対価を支払う者(買主)は、 非居住者(売主)に対して支払う譲渡対価の10.21%を源泉徴収し、税務署に納付する必要があります。 (買主) 源泉徴収義務者である買主は「土地等の譲渡対価の支払をする者」とされ...続きを読む
外注先への報酬の支払について、給与であるとして否認された事案について
2021.09.16(概要) A社は、従前社会保険に加入せず、給与を額面から源泉所得税を控除した金額で支払っていたが、 社会保険に加入する事になり、各従業員に給与から天引きする旨の説明を行った。 しかし、一部の従業員から「手取り額が減少するのは困るので、外注先として扱って欲しい」 との申し出があり当該人員に対し...続きを読む
jGrants(補助金電子申請システム)の利用について
2021.07.151.jGrants(ジェイグランツ)とは jGrantsとは経済産業省が運営している補助金の電子申請システムです。 電子申請で補助金申請を利用したい事業者が手軽に申請できるシステムとして開発されました。 補助金の申請から交付後の完了手続きまで、全てをjGrantsで行う事ができます。 2...続きを読む
付加金の請求期間の延長
2020.08.01税金の話から少し外れますが、「労働基準法の一部を改正する法律」が、令和2年4月1日から施行されております。 これは、今般の民法改正に併せての改正であり、その中でも、とりわけ重要な項目である「付加金の請求期間の延長」について説明いたします。 この付加金とは解雇予告手当・休業手当・割増賃金等のこ...続きを読む
相続税における非課税財産
2019.12.02相続税の対象となる財産については、社会政策上の観点や国民感情などを配慮し、相続税の課税対象にそぐわない財産として非課税財産が定められています。代表的なものとしては「生命保険金の内、500万円×法定相続人の数」や「死亡退職金の内、500万円×法定相続人の数」がありますが、それ以外にも一般的には知られて...続きを読む
市街化調整区域における建物の建築
2019.08.01先日、担当先の問い合わせによって、神戸市役所に調べものに行ってきました。 毎度の事ながら○○局○○課○○部と、たくさんの問い合わせ先があり、実際私の聞きたい事も、受付に聞いてはみたところ、この場合はココ、ただしこの部分が絡んでいるならココと3つ位の場所を指定されてしまいました。 し...続きを読む
モノの流れと税務・会計との関係
2016.10.31税務や会計の領域において、【請求書が届いたから、仕入(原価)を計上する】【お金が振込まれたから売上として計上する】このような考え方は誤りです。税務や会計において、仕入や売上の認識の大前提は、モノの引渡しがあったかどうかであり、さらに売上に対応する原価は同時期に計上しなければなりません。これは必ずしも...続きを読む