2024.01.25

令和6年度 税制改正大綱 定額減税 

令和5年12月22日に「令和6年度税制改正の大綱」が発表されました。例年通りでは令和6年3月頃の通常国会で成立する見込みです。今回の目玉は何と言っても「定額減税」です。賃金の上昇が物価上昇に追いついていないため、物価高の国民負担を緩和する目的から創設されるもので、令和6年分の所得税・住民税から適用が始まる予定です。

≪概要≫
令和6年分の所得税について、「定額による所得税額の特別控除」を実施する。居住者の所得税額から、下記の特別控除の額を控除します。ただし、その者の令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下である場合に限ります。

◆特別控除の額
 所得税(下記の合計額。ただし、その者の所得税額を限度とする)
①本人 3万円
②同一生計配偶者又は扶養親族(居住者に該当する者に限る) 1人につき3万円

住民税(下記の合計額。ただし、その者の所得割を限度とする)
③本人 1万円
④同一生計配偶者又は扶養親族(国外居住者を除く) 1人につき1万円

◆給与所得者(特別控除の実施方法について給与所得者に係る特別控除の額の控除の場合)

①令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含むものとし、給与所得者の扶養控除等申告書の提出の際に経由した給与等の支払者が支払うものに限る)につき源泉徴収をされるべき所得税の額(「控除前源泉徴収税額」)から特別控除の額に相当する金額(当該金額が控除前源泉徴収税額を超える場合には、当該控除前源泉徴収税額に相当する金額)を控除します。
②特別控除の額に相当する金額のうち、上記①等の控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後令和6年中に支払われる当該給与等(同年において最後に支払われるものを除く)に係る控除前源泉徴収税額から、順次控除します。
③上記①及び②により控除された後の所得税額をもって、それぞれの給与等につき源泉徴収をされるべき所得税の額とします。
④令和6年分の年末調整の際に、年税額から特別控除の額を控除します。
⑤上記①及び④による控除について、給与等の支払者が同一生計配偶者等を把握するための措置が講じられます。
⑥上記①の給与等の支払者は、上記①又は②による控除をした場合には、支払明細書に控除した額を記載する必要があります。
⑦上記①の給与等の支払者は、源泉徴収票の摘要の欄に控除した額等を記載する必要があります。

◆個人事業主(事業所得者等に係る特別控除の額の控除の場合)。

①令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額を控除します。
②特別控除の額に相当する金額のうち、第1期分予定納税額から控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、第2期分予定納税額(11月)から控除します。
③令和6年分の所得税に係る確定申告書を提出する事業所得者等は、その提出の際に所得税額から特別控除の額を控除すること等とします。

やや複雑ですが、サラリーマンであれば、令和6年6月から給料より天引きされている源泉所得税の額が定額減税の金額だけ減りますので、手取りが少し増えることとなります。年末調整でまとめて還付されるわけではないので、少し減税の恩恵を感じにくいかもしれませんね。