2023.10.25

2023年 年末調整の変更点

10月1日よりついにインボイス制度が開始され、「どのように処理すればいいの?」と頭を悩ませている経理担当者の方も多いかと思います。しかし、そうこうしているうちに今年も年末調整の季節がやってきます。年末調整も昨年から若干の変更点がありますので、簡単にご紹介したいと思います。

①住宅ローン控除について
(ア)適用税率
住宅ローン控除は2022年に控除率が1%から0.7%に引き下げられました。それに伴い2023年の年末調整から1%控除の対象者と0.7%の控除対象者が登場します。取得の時期によって控除率が変わるため、取得時期の確認が重要となります。
(イ)所得要件
住宅ローン控除の適用対象者は、その年の合計所得金額が「3000万円以下」でしたが、「2000万円」に引き下げられました。

②非居住者である扶養親族の扶養控除について
扶養控除の対象となる扶養親族の範囲が「16歳以上の非居住者」のうち、「30歳から69歳までの非居住者」が除外されました。ただし下記に該当する場合には引き続き扶養控除の対象となります。
・留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者
・障害者
・扶養控除の適用を受けようとする居住者から、その年において生活費又は教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている者

③退職金を得た配偶者・扶養親族欄の追加
扶養控除申告書の「住民税に関する事項」に退職手当を有する配偶者・扶養親族の欄が追加されます。これは所得税の扶養の所得要件には退職金を含む一方、住民税に場合は含めないという扱いになっている為です。

今回の年末調整に関してはそれほど大きな変更はありません。しかし来年1月からは電帳法の一部義務化がスタートします。税制は次々に変わるので、常に最新の情報を収集しておくことが大切ですね。