被相続人の居住用財産の売却に関する特例
コロナウィルスと隣り合わせの確定申告時期となりました。
いつ誰が感染してもおかしくない状況です。
弊所では対策として、2月中旬から勤務形態を変動的にするなどの工夫を行っています。
先日確定申告時期が令和2年4月16日まで延長されると発表がありましたが、
事務所内的にはいつも通りの3月15日を申告期限と定めて、職員一同、体調管理を促しながら日々職務に邁進しています。
さて先日、数年前にお亡くなりになった母親から相続により居住用財産を取得し、この度その財産を売却された方の確定申告のご相談をいただきました。
相続又は遺贈により取得した被相続人居住用財産を売却した場合、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から3,000万円控除が受けられます。
要件はいろいろ複雑ですが、ポイントとしては
① 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
② 区分所有建物登記がされている建物でないこと
③ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
要するに、築年数がかなり経過していて、どなたも住んでいない空き家であればまずは対象になってくるということです。
しかしほかの要件の一つにその財産が家屋である場合には、譲渡のときに一定の耐震基準を満たすものであることとなっています。
築年数が古いものについては耐震基準を満たすものはほとんどないため、おそらく取り壊し前提の話になることも多いかと思います。
空き家対策の一環ではありますが、割と細かい要件があります。
ただ、空き家を管理していくことは、防犯上の問題、災害時の倒壊の危険性など、コスト的にも大変です。今のところ令和5年12月31日までの特例となっています。
一考の余地はありそうです。
豊田 智美