2019.11.01

凍結後の預金から仮払いできる制度が創設されました

相続税は相続開始日、つまり被相続人がお亡くなりになった日時点での財産額が課税対象となります。
通常はお亡くなりになった事実に基づきその方の預金は凍結され、キャッシュカードでも、窓口にいっても預金は引き出せなくなります。

現実問題、遺族の方が被相続人にまつわる様々な費用、例えば病院の入院費用や公租公課などをお支払いされます。
遺産分割が整うまで、預金は凍結されるため、相続人が立て替えることになります。
十分に資金があればいいのですが、やはり支払に苦慮されるケースも多くみられます。

そこで、この度の相続法の改正により、例え遺産分割前つまり相続人全員の同意がなくても預貯金から仮払いができる制度が創設されました。

ただし、この制度には上限があります。
相続開始時の預貯金額×3分の1×その相続人の法定相続分
かつ150万円(各金融機関ごと)まで

標準的な当面必要生計費だそうですが、割と少額に感じます。
預金が凍結されたら引き出せないからと慌てて銀行に駆け込む必要がなくなったとはいえますが、
戸籍など必要書類の準備で、場合によってはスムーズな出金が難しいことも考えられます。
何か対策をとお考えの方、私たち税理士にいつでもご相談ください。

豊田 智美