2023.09.14

インボイス制度の交際費について

来月からインボイス制度が開始となります制度開始を前にして適格請求書発行事業者の駆け込み登録があったり、取りやめがあったりと、10月1日の開始まで混乱は続きそうな状況です。
仕入税額控除の経過措置など、なかなか理解の難しい制度設計となっているため、10月1日の制度開始後も制度の運用をめぐって混乱が予想されます。
仕入税額控除の経過措置とは、免税事業者等からの仕入れについても、インボイス制度実施後6年間は、仕入税額相当額の一定割合を控除可能にするものです。
接待交際費についても、今後は注意すべき点があります。
接待交際費では、5,000円以下の飲食については、飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用は税務上の交際費から除いて良いとされています。(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)
しかし、インボイス制度開始後は適格請求書発行事業者以外での飲食について、この5,000円の判定が難しくなります。
5,000円の判定や交際費等の額の計算は、法人の適用している消費税等の経理処理(税抜経理方式または税込経理方式)により算定した価額により行います。税込経理の法人はこれまで通りで良いのですが、税抜経理の法人の場合、で飲食する店が適格請求書発行事業者である場合とそうでない場合とでは税抜金額が違ってきます。これまで1人5,500円の飲食であれば税抜5,000円で交際費ではない。となっていたものが、制度開始後は5,100円となり(最初の3年間は仕入税額控除額の80%が控除可能であるため)交際費となってしまいます。
値上げがこれだけ続く中、飲食代の5,000円はいつまで5,000円なんだ?と思わずにはいられませんが、インボイス制度の混乱はまだまだ続くことになりそうです。