追憶その(1)
すらっとした長身と広い肩幅、日焼けした顔に手入れ不十分なヒゲ。コテコテの関西弁でずっと喋ってる平尾誠二氏は、出会った頃からずっと変わらずにいる男でした。
焼き肉屋さんでも寿司屋さんでも、よく食べよく飲み、まあ人の倍は喋って笑って、それは愉快な男でした。「天は二物を与えず」とはよく言ったもので、あれほど運動神経は良いのにゴルフだけは例外で、それでもプレー中は熱中してグリーン回りからのアプローチをすれば「入れ~!」と叫んでいる男でした。人と競う『ゲーム』がもともと好きで、「ラグビーというゲームが大好きでゲームの練習は人一倍しましたが、ただ走ったり跳んだり蹴ったりの練習なんてほとんどやりませんでした」という、頑固でまた思考のスッキリした男でした。
僕より、ちょっとだけ男前でしたねえ・・。